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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年02月09日


土曜日。
拘留生活1日目。

パソコンと携帯を渡され個室の中に入れられる。
玉藻は、別室だ。

ネット環境の整ったパソコンと携帯はあえて渡されている。
犯人との連絡が来ると武藤刑事は、睨んでいるのだろう。
啓司に関しては、何を考えているのかわからない。
ただ、ひたすら信じよう。

俺の弁護人は、御幸が引き受けてくれた。
御幸は、こちらにあんまに顔を出していないが、たぶん聞き込みなどしてくれているのだろう。
この部屋は、特殊な作りになっており、中からはギフト能力が使えない仕組みになっている。

だからか、力が出せなくて違和感がある……


ワンピースってアニメの悪魔の実の能力者が、海に浸かった感じってこんなんなんだろうなと思う。


ギフトの使えない俺なんて、ただの中年オヤジだ……
しかも無職だぞ?

これ以上のダメ人間いないだろうってくらい俺は、ダメな人間。

部屋の隅に置かれたベッドに横になる。
そして、目を閉じて俺は眠る。
暇だから……


ふんわりふわふわ夢の中……
あったかい感触が俺の下半身を包み込む。
この感覚何処かで……


俺は、ゆっくりと目を開けた。

そこには、夢ちゃんが俺の隣で横になっていた。


「あら、ようやくお目覚め?」


夢ちゃんが笑う。
俺の体は動かない。


「どうやってここへ?」

「ギフトを使っているのよ」

「ここは、中からギフト能力は使えないはずじゃ……」

「馬鹿ね……
 外から使ってるのよ」

「そんなことができるんだ……?
 もしかして、夢ちゃんってチート級?」

「そうよ?
 私たちは、チート級しか私たちベルゼブブに入れないわ」

「ベルゼブブ?」

「そう、それが私たちの組織の名前」

「そんなことを俺に教えて良いの?」

「構わないわ。
 私は、あなたに取引に来たの」

「取引?」

「恋次を返して」

「それは、俺に言われても……」

「叶わないのなら、私たちはそうね……
 枚方を火の海にするわ。あなたの街よね?」

「そんな!」

「叶えてくれたら私を好きにしてもいいわよ?」

「また、そんな事を……」

「用は済んだわ。
 この話、上の人と話して決めることね」


夢ちゃんは、そう言って姿を消した。
そうか、これは、夢なのか……
俺は、そのまま夢の中で眠りに落ちた。

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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年02月08日


俺たちは、淀屋橋に向かった。
電車などの交通機関は、麻痺している。
なので、玉藻の運転する車で淀屋橋まで向かった。
結構時間がかかった。


周りには沢山の警察が、巡回している。
その中には、武藤刑事もいた。


「玉藻、この場所から離れよう」


武藤刑事にここにいることがバレるとなにを言われるかわからない。
俺たちが、その場から離れようとしたとき武藤刑事に声をかけられる。


「おい、詩空じゃないか……
 なに、こんなところに来ているんだ?」

「仕事です」

「ああん?」

「ココって雑誌に載せるコラムの下調べですよ。
 俺たちは、この一連の放火犯について調べに来てたんです。
 そしたら、あの火の男と出会った」

「ファイアーターのことか?
 やはりお前は……ヤツのことを知っているのか?」

「知らない」

「後悔しても知らないぞ!?」


武藤刑事が、そう言ってゆっくりと玉藻に近づく。


「玉藻に何をするつもり?」

「女の記憶から探す……」


武藤刑事は、下品な笑顔を見せると玉藻に近づく。


「やめろ!」


俺は、武藤刑事の腕を掴む。


「なんだ?
 公務執行妨害で捕まえるぞ?」

「俺は、いい……
 だけど、玉藻には、手を出すな!」

「ほう……
 いい度胸しているな?」


武藤刑事が、俺を睨む。


「武藤刑事!何をやっている?」


そう言って啓司が、怖い顔をして近づいてきた。


「俺は、不審者がいたので取り調べをしようとしていたところだ」

「亜金も、亜金だ!
 どうしてこんなところに来た?」

「放火犯について調べに来たんだよ。
 ココの仕事なんだ」

「話を聞かせてもらえるか?」

「ああ。
 俺にわかる範囲でなら話すよ」


俺は、啓司に話をした。


「そうか……
 相手は、亜金のことを知っているんだな?」

「うん」

「すまないが亜金と玉藻ちゃん。
 暫く警察に厄介になってもらう」


啓司から耳を疑いたくなる言葉が耳に入ってくる。
でも、啓司には啓司の考えがあるのだろう。
俺は、啓司を信じることにした。

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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年02月07日


曇り。
目を覚ましたのは、8時半。
体が痛い……


服を着替え、リビングに向かうと玉藻が、紅茶を飲んでいた。


「亜金、おはよう」


苦笑いを浮かべる玉藻の目の下に青たんができていた。


「玉藻、その痣……」

「亜金、朝の挨拶は重要だぞ?」

「……おはよう」

「亜金も体中傷だらけだな」

「……うん。
 でも、玉藻に比べたらマシかも」

「お前の叫ぶ声……
 私の部屋まで聞こえたぞ?」

「ああ……うん。
 頭の中をかき回されてさ……」

「記憶を覗くギフト能力者か?」

「うん。
 それが、滅茶痛くて……」

「だろうな……」

「玉藻の方も酷かったみたいだね」

「ああ……
 そりゃ、凄かったぞ……
 男に殴られるは、体を触られるわ……」

「訴えれるんじゃ?」


玉藻は首を横に振る。


「無理だな。
 ギフト能力者の犯罪者への取り調べは、尋問に近い。
 最悪殺しても問題ないということになっているらしい」

「でも、俺たちはあの場にいただけで、あの男とは初対面だ……」

「ああ、それは私も何度も言ったが信用してもらえなかった」

「まぁ、あんだけ死者が出ているんだ……
 警察もピリピリしているんだろう……」

「でも、女の子の顔を殴るとか酷いよ」

「私も、御幸が来てくれなかったら心が折れていたかもしれない」

「玉藻の所には、御幸が来たの?」

「ああ。
 亜金の所には啓司が、来たのだろう?」

「うん」

「さて……
 どうする?」

「え?」

「これは、私たちがやらなければ、容疑は晴れない。
 かと言って動けば動くほど警察から目をつけられる」

「そうだね。
 目をつけられるのは嫌だけど、戦おう」

「わかった。
 私も全面的に協力しよう」


玉藻は、そう言って頷いた。
そして、俺たちの長い2月が始まる。

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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年02月06日


水曜日。
雨の音が聞こえる。


「いつまで、寝ているんだ!」


俺は、水をかけられる。
そこで、俺の意識が戻った。


「う……」

「流石、チート級!
 心に壁を作り心のどこを探してもファイアーターの情報は見つからなかった!
 たっぷりと取り調べえてやるからな!」


刑事さんが、そう言って俺の胸ぐらをつかむ。
思いっきり睨んでいるが、怖くはない。

まぁ、世の中広いので複数のギフト能力を覚えている人もいるけれど……
俺みたいに複数の能力を持っているように見せかけるようにできる人もいるけれど……

基本、ギフト能力は1つしかマスターできない。


この刑事さんのギフト能力は、記憶の閲覧。
しかも、相手に痛みを与えるものだから、低級ギフト能力者だろう。
戦闘になれば、俺が圧勝するだろう。
だからと言って、ここで戦えば警察を敵に回すことになる。
そうなると俺は、大変な目にあうだろう……


「何度調べても知らないものは知らない。
 時間の無駄だと思う」

「舐めているんじゃないぞ!」


刑事さんが、椅子を蹴っ飛ばす。


「そこまでだ……
 武藤刑事!」


啓司が刑事の姿で現れた。
武藤と呼ばれる刑事さんは、啓司を睨む。


「これは、合法とは言えない捜査ですよ?」

「俺の操作にケチをつけるのか!」

「間違っていないというのなら裁判しますか?」

「……糞が!」


武藤刑事は、俺の足を蹴る。


「暴力反対!」


杉浦さんが、啓司の後ろから現れる。


「ち……」


武藤刑事は、舌打ちをすると部屋を出た。


「大丈夫か?
 亜金……」

「とりあえず眠い……
 玉藻は、大丈夫なのか?」

「ああ。
 玉藻ちゃんは、既に家に帰されている。
 さぁ、帰るぞ。お前の家へ……」

「……うん」


俺は、啓司の運転するパトカーで家まで帰った。
はぁ、体中が痛い。
家に帰ったらすぐに寝るぞ……

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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年02月05日


火曜日。
テレビは、臨時ニュースで昨日の爆破事件のことばかりで、見たかった番組が見れない。

死者117名
負傷者564名
行方不明者42名


この数値が少ないのか多いのかはわからない。
ただこういう事件が起きるたびに、ギフト能力者は白い目で見られる。

本当に迷惑な話だ……

さて、昨日の事件のせいで、俺も警察に呼ばれている。
俺と火の男が、話しているのを目撃していた人がいたらしい。

いわゆる事情聴取ってヤツだ。

啓司が取り調べるのかと思っていたが、啓司は俺の友人といこともあって取り調べから外されたらしい。
操作には、協力するらしいのだが……

まぁ、その放火犯らしい男の仲間ではないのかと思われているわけだ……
玉藻も別室で取り調べを受けている。


「さて、詩空!
 お前とファイアーターとは、どういう関係だ?」

「ファイアーター?」


なんだそれ……?


「とぼけるな!
 放火犯の通り名だ!」

「誰の事でしょう?」

「お前が、火の男と話していると目撃証言があるんだぞ!」


刑事さんは、そう言って机をたたく。


「あー。
 その男とは、あれが初対面ですね」

「そんな嘘が通じると思ってるのか!」


この人、頭悪いのかな?
こんなところで嘘をついても仕方がないだろうに……


「誰が、頭悪いだ!」


刑事さんは、そう言って机をたたく。


「刑事さん、心が読めるんですか?」

「それが、俺のギフト能力だ!」

「ふーん」

「って、俺のことはどうでもいい!
 ヤツとは、どういう関係だ?」

「だから、初対面ですってば」

「じゃ、お前の頭の中を覗かせろ!」

「え?」

「お前の脳内に直接聞いてやる!」


なんか怖いな……
物凄く痛そうだ。


「大丈夫だ。痛いが死にはしない」


刑事さんの目が怖い。
俺は、他の刑事さんに体を押さえつけられると、心を読む刑事さんに頭を触られる。
全身に激痛が走った。
それが、1時間ほど続き、俺は意識を失った。

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