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ボクはネコゾンビでご主人さまは女子高生70 [ボクはネコゾンビでご主人さまは女子高生]

「貴方、技を一つも使っていなかったわ」

「私の魔法に技なんてありません……」


自信なさげにそう言った。


「それが、ダメなのよ。
 貴方も、もう魔女協会の認定を貰っているの。
 だったら、任務は必ず成功、死ぬなんてもっての外!」

「死ぬなんて大げさな……」

「いいえ、大げさなんかじゃないわ」

「このままいくと、貴方は必ず死ぬわ!」

「そんな……」


マカは、涙目になった。


「だから、技を覚えなさい」

「技ですか……?」

「そう、技を覚えるの」

「でも、どうやって……」

「それは、執事の藤堂が教えるわ」

「藤堂?」


マカが、首を傾げると、スラリとしたおじさんがアストラルの隣に現れた。


「お呼びでしょうか?
 アストラル様……」


藤堂は、ゆっくりとボク達の方に目を向けた。

ボクはネコゾンビでご主人さまは女子高生69 [ボクはネコゾンビでご主人さまは女子高生]

「まずは、ボク君!」


アストラルは、ビシっと、ボクの方に指をさした。


「はい!」

「貴方は、まず魔法を覚えましょう!」

「え?
 ボク魔法なんか使えるの?」

「基礎は、私が教えるわ」

「わかったー
 ボクがんばるー」

「次は、星新一!」


アストラルは、ビシッと、星新一の方に指をさした。


「え?私もですか?」

「貴方は、肉弾戦には向いていないわ。
 素直に魔法を使いなさい。
 そもそも貴方は、魔法が得意なのにどうして短剣で戦ったの?」

「マカさんに合わせました」

「はぁ……」


アストラルは、大きなため息をついた。


「まぁ、いいわ……
 次は、マカちゃん!」


アストラルは、今度はマカに向けて指をさした。


ボクはネコゾンビでご主人さまは女子高生68 [ボクはネコゾンビでご主人さまは女子高生]

ボク達は、城の中に入った。
そして、星新一の案内で大きな扉の前に来た。

星新一は、その扉をノックるすると扉を開けた。


「失礼します」


眩しい位の光が、ボク達を包み込む。


「いらっしゃい。
 マカちゃんに星君にボク君」


胸の大きな女性が、椅子に座りニッコリと微笑んでいる。


「貴方が、アストラルさん?」


マカが、アストラルに尋ねた。

アストラルは、ニッコリと笑うと、ゆっくりと頷いた。


「そうよ。
 初めましてマカちゃん」

「初めまして」


マカは、ニッコリと笑って頭を軽く下げた。


「さて、早速だけど時間は無いわ。
 理事長さんから話は聞いてる……」


アストラルは、そう言って椅子からゆっくりと立ち上がった。

ボクはネコゾンビでご主人さまは女子高生67 [ボクはネコゾンビでご主人さまは女子高生]

ボクとマカは、星新一に精神と修行の魔女アストラルの城に案内された。


「大きいお城だね」

「うん」


ボクの呟きにマカがコクリと頷いた。


「アストラルさん!
 扉をあけてください!」


星新一が、扉の前でそう叫ぶとゆっくりと扉が開いた。


「入りますよ」

「あ、うん」


マカは、物凄く緊張しているみたいだ。

ボクは、そう思うと何か言わなくてはと思った。
だけど、何を言ったら良いのかがわからない。


「そんなに緊張しなくていいですよ」


星新一は、そう言ってニッコリと微笑んだ。


「そんな事を言われても……」

「大丈夫です。
 取って食べられたりは、しませんから……」


そして、星新一は、マカの頭を優しく撫でた。


ボクはネコゾンビでご主人さまは女子高生66 [ボクはネコゾンビでご主人さまは女子高生]

「これで、全部ですね……」


星新一は、そう言って探検を鞘に収めた。


「……うん」

「疲れましたか?」

「うん」

「ボクも疲れたー」

「ボク君も、お疲れ様」


星新一は、そう言ってボクの頭を撫でた。


「さて、行きますよ?」

「行くって何処へ?」


マカは、星新一に尋ねた。


「魔女アストラルの所です」

「強いの?」

「ええ。
 とっても!」

「倒せるかな……?」

「大丈夫です。
 戦う訳ではないので……」


星新一は、そう言ってニッコリと笑った。
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