SSブログ
ギフト(小説) ブログトップ
前の5件 | 次の5件

ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年03月11日


俺は、プレゲトンの炎を纏い白銀に突っ込む。
考えちゃいけない。
こいつは、考えれば考えを読み考えた通りに動く。
俺は、ニュータイプの直感のみで戦わなくちゃ行けない。
だけど、むやみにプレゲトンを振り回すだけじゃ、白銀にダメージは与えれない。
考えずに感じるんだ。


「愚かですね……」


白銀が、笑う。


「僕は、水魔法が得意なんですよ?
 なのに炎の魔法で対抗するとか……
 貴方には考えると言う能力がないのですか?」


白銀が、そう言って水の刃を俺の周りに召喚し俺に浴びせる。
俺は、プレゲトンの炎を身にまといそれを防御する。


「知ってる?
 強力な炎は、水を蒸発させるんだよ?」


王の特訓で思ったこと、炎を防御する水の魔法より炎を操る魔法を究めた方が、炎の魔法を使いこなす火蛾には有効である。
これは、水の魔法を得意とする白銀にしてみても同じことだ。


「なるほど、それも一理ありますね」


白銀が、嬉しそうに笑う。


「さぁ、これで互角だ!
 俺に水の魔法は効かないぞ!」


俺が、そう言うと白銀は、俺の間合いに忍び込む。
そして、俺のお腹に一撃浴びせる。


「これで、終わりです。
 吹き飛びなさい!」


俺の体は、宙を舞う。
そして、地面に叩き付けられる。


「流石に痛い……」


俺は、ゆっくりと立ち上がる。
白銀は、不思議そうに俺の方を見る。


「何故です?
 恋次君の破壊王の能力を使ったのにどうして、貴方は死なないのです?」

「スーパーマリオブラザーズって知ってる?」


俺は、そう言って笑う。


「さぁ、知りませんね……」

「ふーん。
 まぁ、そのゲームには無敵になれるアイテムがあるんだ。
 それを使わせてもらった。
 ほんの数十秒だけどね」

「ゲームクリエイターの能力……
 ますます欲しくなりました!」


白銀が、笑う。
だけど、俺は、笑わない。
マリオのスターで、無敵状態なはずなのに俺へダメージを与えることができた。

それだけ、破壊王の能力は優れているのだろう。
そして、それをもう自在に操っている。

凄いセンスだと思う。

だけど!


「アンタには、この能力は使いこなせないよ!」


俺は、プレゲトンを構える。
白銀には、まだ笑う余裕がある。
まずは、その余裕の笑顔を消してやる!
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年03月10日

日曜日。
雨になるらしい。


「では、各自!
 それぞれが、潜入する戦闘ルートに配置に向かえ!」


王が、指示を出す。


「了解!」


俺が、そう言うと里杏ちゃんが、心配そうに俺を見る。


「亜金さん、死にそうになったらいつでも戻ってきてね!
 どんな傷でも見てあげるから!」

「なんで、俺だけに言うんだ?」

「だって、貴方が一番弱そうなんだもん」

「なんか、軽く傷つくぞ……」

「残念!心の傷は治せません」


里杏ちゃんが、そう言うと見送りに来てくれた夕貴さんが笑う。
そして、フィリップに文字を書く。


【無事に帰ってきたらご褒美をあげます】


俺は、その言葉に胸をときめかせる。


「ご褒美ってなに?」


【内緒です】


そう書かれたフィリップを持つ夕貴さんの顔は、照れていた。


「浮かれて死ぬなよ」


玉藻が、冷たく言い放つ。


「死ぬか。
 俺は、生きて帰るぞ」

「ああ。
 お前ら、全員生きて帰って来いよ!」


玉藻が、そう言うと俺と歌、王と隼人君は頷いた。


「では、行くぞ!」

「ああ!」


俺たちは、玉藻が、それぞれの配置に行くように作ったドアを開け、俺たちはその中に入った。
目の前には、楽しそうに笑う白銀が居た。
物凄い、狂喜を放っている。

俺は、心を落ち着かせる。


ゲームの技を増やすんじゃない、その技を究めることが重要なんだ。
俺は、そのことに気付いたのは、少し遅かったのかもしれない。
でも、やるんだ。
でも、戦うんだ。


俺は、心を沈ませる。


そして、剣を召還させる。
剣の名前は、プレゲトン。

炎の河と言う名を持つ剣。


「プレゲトン、行くよ……」

「わかってる。
 くれぐれも死ぬんじゃないわよ!」

「ああ……」


こうして、俺たちの長い戦いが始まる。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年03月09日

昨日の奇襲で、捕獲された風花ちゃんは、モンスターボールの効果で、王のすべての質問に素直に答えているらしい。


「さて、あの娘から得た情報によると白銀たちのいる場所がわかった」


今、俺たちは、警察の作戦会議に参加している。
王が、率先して指揮をとっている。
コイツ、編集の仕事のほかに警察を副業にしてやがった。
ちなみに特務捜査官は、副業OKだ。
警察なのだから、ダメかと思うかもしれないけど、何故だか承認されている。
ギフト能力者の独占を防ぐためにね……
そして、ちゃっかり隼人君も参加していた。
隼人君も特務捜査官に入ったらしい。
隼人君の能力は、【ワールド・オッドアイ】。
全て(未来と過去)を見る目。
そして人並み外れた身体能力。
それを評価されて、特務捜査官に入ることを許可されたらしい。


「今回の戦いの編成だが……
 火蛾は、俺が叩く。
 海藤は……」

「俺にやらせてください」


隼人君が、名乗りを上げる。


「お前は、何度か海藤とやりあってるな……」

「はい」

「だが、友人なんだろ?
 本気で戦えるか?」

「全力を尽くします」

「わかった……
 小間隼人!お前に海藤卓の討伐を命じる!」


王は、偉そうに胸を張る。


「そして、白銀……
 アイツは、亜金。
 お前がやれ。
 歌と啓司、玉藻は民間人の避難及び警護を頼む」

「え?俺、1人で白銀と??
 ってか、なんで、王が仕切ってるの?」


俺は、素朴に思った疑問を王にぶつける。


「俺が、今回の指揮官を命じられた。
 ちなみに、俺は第七捜査班の班長だ」


王が、そう言ってニンマリと笑う。
なんか、ムカつくぞ……


「なんだ?
 不満でもあるのか?」

「ないけど……
 なんか、ムカつく……」

「まぁ、亜金、細かいことはきにしないネ!
 ミーなんて、警護ね。もっと戦って成績を稼ぎたいネ!」


歌が、嬉しそうに笑う。


「歌、安心しろ。
 民間人を襲う連中にもギフト能力者がいる。
 風花が言うには、『持杉 伊達男』そいつは、薬を自在に操る。
 特にフェロモンを操る能力に長けていて異性を自在に操る。
 これは、強力だぞ?」

「オー。それは、楽しみネー」


歌が、楽しそうに笑う。
何が楽しいんだろう……
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年03月08日


金曜日、晴れ。
夢ちゃんは、あの後、病院の集中治療室に行き、そして一命を取り留めた。
意識も無事回復し、俺は夢ちゃんの病室に向かった。


するとそこには、夕貴さんも居た。


「夕貴さん、どうしてここに?」


夕貴さんは、フィリップに文字を書く。


【女子会です】

「そっか……」


なんか、あるんだろうけど深くは聞かないでおこう。


「夢ちゃん、元気そうでよかった」

「運がよかっただけよ」


夢ちゃんが、冷たく言い放つ。


「でも、生きている……」

「そのうち、消しに来るわ……
 白銀さんにとって、私の事なんて……」


なんて、言葉をかけたらいいかわからない。
でも、これだけは、言える。


「あいつらが、夢ちゃんを消しに来ても俺が護る!」


決まった……
俺が、そう思った時、夢ちゃんではない、女の人の声が聞こえた。


「あら?中年の王子様なんて、迷惑ではなくて?」


俺が振り向くと、ゴシック・アンド・ロリータな綺麗な女の子が立っていた。


「風花!」


夢ちゃんが、目を丸くして驚く。


「夢……白銀様から直々にあなたの抹殺命令が出たわ……
 私の氷のギフトで、氷漬けになりなさい」


夢ちゃんが風花と呼ぶ女の子の周りの空気が凍る。
やばい。夕貴さんと夢ちゃんを護りながらなんて戦えないぞ。


「さぁ、私の氷の刃の餌食になりなさい」


風花ちゃんが、そう言って手を夢ちゃんの方に向けると、風花ちゃんの頭に上にボールが飛んできた。


「え?」


俺は、思わず声をあげた。


「え?」


風花ちゃんも同じだった。
するとそのボールは、風花ちゃんを包み込み風花ちゃんを小さなボールの中に閉じ込めた。
これ、俺は、知っている。

モンスターボールだ……


「病院では静かにしないといけないぞ」


王が、ため息交じりに言った。


「王……助かったよ」

「気にするな。
 俺は、俺でコレクションが増えて嬉しい限りだ。
 この女は、一生俺の言いなりになるからな」

「……」


俺は、冷たい目で王を見る。


「冗談だ、警察に渡すさ」

王が、静かに笑う。


「……うん」



王、冗談に聞こえなかったぞ……
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年03月07日


時の巡礼者の覚醒。
それは、何を意味するのかわからない。
だけど、思った。

俺はこの力を手に入れることで、何かを得た気がする。

力も大幅にアップした。

今の俺なら、もしかしたら、白銀に勝てるかもしれない。


俺は、空を見上げて手を握りしめた。


「よう……
 久しぶりだな」


そう言って俺に声をかけてきたのは、蛭魔だった。


「お前……
 出てきたのか?」

「白銀さんに出してもらった」


蛭魔梶夫。

ずっと前に、俺が警察に渡した相手だ。
人間の血を飲み力を得るギフト能力者だ。
特に若い女性の血を好み体を透明にさせることができる能力。

連続婦女暴行殺人事件の犯人だ。


「お前もベルゼブブだったのか?」

「ああ。
 さて、とりあえずお前の血を貰おうじゃないか」

「うん?」

「野郎の血なんて興味ないが……
 あの人の命令だ……」


蛭魔は、自分の体を透明化させる。


「……ふぅ」

「さぁ、亜金!
 俺が、何処にるかわからないだろう?」


蛭魔が、ケラケラ笑う。
あまりにも笑うので俺は、その声がする方に獏を放つ。
すると、あっさりと蛭魔は、捕まえることができた。


「あら?意外とあっさりなのね」


夢ちゃんが、そう言って現れ俺を睨む。


「夢ちゃん。
 今なら遅くない、こっちに来い」

「断るわ……」


俺は、蛭魔に触り蛭魔を啓司の所へワープさせた。


「蛭魔は、もう警察の所へ移動させたよ!」

「へぇ、そんな技を覚えたんだー」


夢は、目をキラキラと輝かせる。


「もう一度聞く。
 俺たちの元に来るんだ!」

「いけるわけないでしょ?
 私は、もう戻れないわ……
 戻れないところに来てるの!」


夢ちゃんが、涙目でそう言うと夢ちゃんの後ろに白銀が現れる。


「そうですね。
 あなたはもう用済み。
 脳なしには死んでもらいましょう」

そして、夢ちゃんの背中に手を当て、水の刃を打ち放つ。

白銀は、夢ちゃんが、傷まみれになったのを確かめると笑いながら姿を消した。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感
前の5件 | 次の5件 ギフト(小説) ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。