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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月19日


サクライーターFの子供たちは、真っ先に母体である母親のもとに駆け寄った。
悲しんでいるのか?
俺のその考えは、一瞬でふっとんだ。

サクライーターFの子供たちは、母親の肉を食い始めたのだ。

それを見た、星さんは、すぐに銃でサクライーターFの子供を撃ち殺した。


「こいつらは肉食だ!
 んでもって、こいつの名前は、サクライーターFじゃない!
 ドラゴンハーピー!獰猛な肉食ドラゴンだ!
 接近戦は、出来るだけ避けろ!
 下手すると食われるぞ!」


星さんが、撃ち殺したドラゴンハーピーの肉も他のドラゴンハーピーは、食べ始める。


「こいつらはなに?」


俺は、星さんに尋ねた。


「これが、モンスターだよ。
 詳しい話は後だ、早くコイツラを全滅させないと街に被害が出る前にね……」


星さんは、そう言って銃を再び打つ。
マシンガンのように銃を放つ、銃弾は種の様だった。


「そうだね。
 ドラゴンハーピーとか、かなり危険なモンスターだよ」


空猫さんは、そう言って扇子を投げる。
ドラゴンハーピーたちの首と体が二つに分かれる。
しかし、切っても殺しても卵から産まれる。


「卵がこんなに沢山あったのか?」


星さんが、嘆く。


「あ!亜金、地面から卵が生えてきているよー
 にょっきにょきー」


ピノが、映し出されたモニターに指をさす。


「え?」


俺が、その方を見ると確かに卵が次々に増えている。


「そこだけじゃない、あちらこちらから増えているぞ……」


プレゲトンが、呟く。


「……これは?」


俺が、プレゲトンに尋ねると星さんが、代わりに答える。


「これも人工兵器の様だね。
 どこかに装置があるはずだ……
 それを破壊すれば、収まると思うんだが……」


星さんが、ため息交じりに言うと俺は、星さんに提案した。


「このサクライーターFとこの辺の桜。
 消しちゃってもいいですか?」

「え?」


星さんが、目を丸くさせる。


「俺なら、この辺り一面を火の海に変えることができます」


星さんが、一瞬考えた後、ゆっくりと頷いた。


「亜金君、頼んだよ」

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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月18日


「空猫さん凄い……」


俺は、思わず声をあげた。


「まぁ、これくらいのことは余裕だよ。
 だけど、問題なのは……」


空猫さんが、そう言うと星さんと顔を合わせる。


「このような状態を作った奴がいる」


星さんは、そう言うと星さんの乗るED、エルフマンで、サクライーターFのお腹の中に腕を突っ込んだ。
サクライーターFは、まだ生きているのかうめき声をあげた。

そして、サクライーターFのお腹から赤い石を取り出した。


「それは?
 賢者の石?」


俺は、星さんに尋ねた。


「亜金君、よく知ってるね。
 だけど、これは人工賢者の石だね」

「人工物?」


星さんの問いに俺は、首を傾げる。


「人工賢者の石……
 人やモンスターに強力な力を与えるという人工鉱石だよ。
 本物の賢者の石を食べられていたら、僕たちは生きてはいないだろう」


星さんは、ため息交じりに答える。


「で、卵はどうするの?」


空猫さんが、星さんに尋ねた。


「この場で処分しよう」

「目玉焼きにしないの?」

「お腹壊すぞ?」

「やっぱり?」


空猫さんが、そう言って笑う。


「ちょっと遅かったようだな……」


プレゲトンが、不敵に笑う。


「何が……?」


俺は、後ろを向きプレゲトンに尋ねた。


「亜金!周りを見ろ!
 卵が孵化を始めるぞ!」

「……え?」


卵が、ゆっくりと動き6匹の卵からサクライーターFが、孵化した。
そして、亜金の乗るフェアリーセットの方を見た後、叫びだした。


「倒すしかないようだね」


星さんが、そう言ってムチを構える。
空猫さんは、扇子を構える。
俺は、大剣を構えた。

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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月17日


念のため、このサクライーターのボスのデータをEDのネットワークシステムで調べてみた。
すると火を吐くサクライーターのデータは、なかった。
新種か変種か……
どちらかは、わからない。
でも、戦うしかない。
火を吐くサクライーターのデータを調べたのは俺だけじゃなかったようだ。


「今、このサクライーターの情報をデータを参照し本部に連絡を入れた。
 そしたら、このサクライーターの名称が決まった」



星さんが、そう言うと空猫さんがニコニコ笑いながら「毎度、ファルシオンは仕事が早いね」と言った。


「で、名前は??」


俺が、そう尋ねると星さんが答える。


「サクライーターFだ」

「え?」


俺は、目を丸くさせ驚く。


「エフ?」


空猫さんは、ニコニコ笑いながら星さんのEDであるエルフマンを見る。


「ファイヤーのFだそうだ」

「ネームセンス最悪だな」


プレゲトンが、呟く。


「まぁ、わかりやすくていいじゃない?」


空猫さんが、そう言うとプレゲトンが、ため息をつく。


「まぁ、名前なんて飾りだからな。
 そんな私たちの会話もむなしくサクライーターFは、こちらに狙いを定めて火を吐こうとしているぞ?」


プレゲトンのその一言で俺たちは、サクライーターFの方を見る。
炎は、俺めがけて放たれる。

しかし、俺の大剣、プレゲトンは炎を吸収できる剣。
その炎を吸収し、大剣の炎を増加させた。

サクライーターFは、大きな雄たけびをあげる。


「さて、ちゃちゃちゃと倒そうか」


空猫さんが、そう言って扇子を構えサクライーターFの首めがけて投げる。
扇子は、サクライーターFの首に命中したモノの貫通はしなかった。
空猫さんの扇子は、サクライーターFの首の中に入っていき取り込まれた。


「取り込んだのか……?」


星さんが、目を丸くさせて驚く。
でも、空猫さんの方は余裕の表情だった。


「ありゃりゃ。
 でも、大丈夫」


空猫さんは、ニコニコ笑いながら指をパチンと鳴らした。
するとサクライーターFの首が爆発する。
そして、空猫さんの言葉が続く。


「ウチの扇子は、爆発するのさ……」


空猫さんの表情は余裕の顔だった。
だけど、サクライーターFの表情も余裕だった。


「効いてないみたいだぞ?」

「……ダメージが効かないサクライーターFとかけまして、オイラの攻撃とかけます」


空猫さんがそう言うと星さんが空猫さんに尋ねる。


「その心は?」

「そんな話聞いてない」


するとさらにサクライーターFの首が爆発した。


「ほう……なかなかの攻撃。
 でも、なぞかけのセンス悪いな……」


プレゲトンが、ため息交じりに言うと空猫さんはニコニコ笑いながら言う。


「扇子だけにかい?」


するとさらにサクライーターFの首が爆発した。

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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月16日


「さて、今日の作戦会議だけど目的は少し違う」


星さんが、討伐隊の皆の前に現れて書類を見ながら言葉を続ける。


「昨日の皆のお蔭で、目標だった300匹の討伐が完了した。
 なので、今回は、サクライーターのボスの討伐命令が出た。
 ボスは、サクライーターの数倍の体の大きさを持っている。
 戦闘力は勿論ある。
 サクライーターは、人からすれば脅威だが一流のED乗りからすれば、さほど難しくない相手だ。
 だが、ボスは違う。
 はっきり言って強い。
 B級モンスターだ……
 討伐は、空猫君、亜金君、僕との3人で行う。
 他のメンバーには、その場の周りにいるサクライーターの退治を頼みたいのだが意義のあるものはいるかい?」


誰も何も言わなかった。
それを見て星さんは、さらに言葉を続ける。


「では、早速だが討伐に向かう」


俺たちは、町の外に出てEDを召喚した。
そして、向かった先はサクライーターの巣の中。
中にはサクライーターが、うじゃうじゃいた。
サクライーターが、こちらを見る。
すると一斉に襲い掛かって来た。

まぁ、当たり前だよね。


「亜金君、空猫君、行くよ!」


星さんが、そう言うと俺たちはまっすぐ奥へと続いた。
奥へはすんなりと行くことができた。
他の人たちのサポートがあってこそだと思っている。
すると俺たちは、大きなサクライーターを見つけた。
傍に大きな卵が幾つかある。


「サクライーターって卵産むっけ?」


空猫さんが、そう言うとサクライーターのボスは大きな唸り声をあげた。


「いや、サクライーターは、卵を産まない……
 こいつは、何かおかしい」


星さんが、そう言うとサクライーターが、口から火を吐いた。


「火……だと?」


プレゲトンが、目を丸くさせて驚く。
普通のサクライーターは、火を吐かない。
何故なら、サクライーターは、草属性。
火なんか吹こうモノなら体中が燃えて消えてしまう。
だけど、このサクライーターのボスは、なんともない。


「こいつは、変種か?」


星さんが、呟く。


「どちらにしても、オイラたちでどうにかしなくちゃね」


空猫さんが、ニコニコ笑いながら扇子を広げる。
俺も戦わなくちゃね……
俺もプレゲトンの剣を召喚し構えた。

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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月15日


サクライーターの数は、およそ300。
俺たちは、今、囲まれている。


「ステルス機能を持ったサクライーターなんて初めて見たよ」


星さんが、小さくつぶやく。


「こっちもそんな情報聞いてないから……」


空猫さんは、こんな時にも関わらずニコニコ笑っているのがモニターに映っているのがわかる。


「広範囲兵器も、桜を傷つけてしまうから使えない……
 さて、どうする?」


プレゲトンが、俺に尋ねる。


「どうするって……
 どうしよう?」


俺が、迷っているとピノがニコニコ笑いながらこう言った。


「ピノが、またドカーンやりたい!」

「それダメ……」


俺は、速攻でピノの意見を却下した。


「……しゅん。
 残念……」


ピノが、しょんぼりする。


「さて、こんな会話をしている間にサクライーターが、襲ってきたぞ」

「仕方がない……
 とっておきのあれを使うよ」


俺が、そう言うとプレゲトンが、頷く。


「そうか……
 あれを使うのだな」


俺は、フェアリー・セットを宙に浮かせ呪文を唱える。


「亜金君!
 広範囲兵器は、困るよ」


星さんが、焦りつつ言う。


「大丈夫です」


俺は、魔法を唱えた。


「風化頼土!」


俺の魔法により、全てのサクライータにダメージを与え、サクライータの足を止めた。


「この魔法は……」


星さんが、目を丸くさせて驚く。


「空猫さん、星さん!
 今のウチにサクライータを倒してください!
 他の皆さんもサクライータの討伐に協力してください!」


俺は、オープンチャントで待機組のメンバーたちにも伝えた。
そして、なんとか300以上のサクライータを討伐することができた。

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