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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月14日



サクライーターは、昨日のピノの魔法によりあの場にいたサクライーターは、撃退することができた。
と言うか、残っていたサクライーターもあの魔法を見てみんな逃げてしまった。


逃げる=来年も来る


なのでまだ、俺たちの討伐は終わっていない。
と言うか、俺たちはあの後地元の人に怒られた。

と言うのも、地元の人たちは、サクライーターの肉も楽しみにしていて桜の季節以外の時期は、サクライーターの肉を食べれる町としても有名だったらしい。


外の世界には色々あるもんだと実感した。
残りのサクライーターは、討伐隊と協力して倒すことになった。

と言っても、空猫さんと星さんとは組んで進むことになった。


これから、1週間は討伐期間らしい。


サクライーターは、まだまだ残っている。

星さん曰く、数百~数千は、毎回狩っているらしい。
サクライーターは、草モンスター。

死んでも種を他の場所に飛ばすため、毎年毎年産まれては桜を食い散らし町に被害を与えている。


「亜金君」


星さんが、俺に話しかけてきた。


「なんでしょう?」

「今後、広範囲魔法は、禁止だよ?
 桜も傷つけちゃうしサクライーターの肉も取れなくなるしね」

「はい……
 すみません」


その光景を見たピノが、しょんぼりとして星さんの方を見る。


「ピノちゃんどうしたんだい?」

「あの魔法はね、ピノが使ったの。
 だから、亜金は悪くないの……」


ピノは、今にも泣きそうな顔だった。


「……そうなのか。
 じゃ、ピノちゃんも広範囲魔法は、禁止で頼むよ」


星さんは、そう言ってピノの頭を撫でた。


「うん!」


ピノは、とびっきりの笑顔で頷いた。


「にしても、この数……
 聞いてないよ?」


空猫さんが、星さんにファイルを持って尋ねる。
顔が、ニコニコ笑っているので怒っているのかどうかさえわかんない。


「すまないね。
 今年は、異常気象でサクライーターの数が多いんだ」


星さんが、謝るとプレゲトンがため息をつく。


「その分報酬は、増えるんだろうな?」

「ああ、もちろんさ」


星さんが、笑う。
今日は、一日休暇、何して過ごそうかな。
明日からは、またサクライーターの討伐だ。

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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月13日


サクライーターが美味しそうに草を頬張っている。
俺は、プレゲトンを構える。


「炎よ!
 愚かきモノに地獄の業火を!」


俺は、大剣にプレゲトンの炎を纏いサクライーターを右肩を斬った。

サクライーターの属性は草。
プレゲトンの炎の属性は炎。
炎は、草を燃やす。
相性は抜群だった。
だけど、サクライーターは、ボスモンスターと言われるくらい体力がある。
流石に1振りでは、倒せなかった。
サクライーターは、俺の方を睨みつけ。
斬った部分を再生させる。

草モンスターの最大の魅力は、再生力。
斬られた部分を再生させた。


「だめだぞ、亜金君!
 この手のモンスターは、一撃で倒さないと……」


星さんは、そう言って指からツタを出してそれを長いムチの形に変える。
ムチになった5本の指をサクライーターにぶつける。
するとサクライーターの体は、分離させた。


「ほう。
 凄い威力だな」


プレゲトンが、感心する。


「これくらい分解してやらないとサクライーターは、死なないからね」


星さんが、笑う。
すると俺たちに気づいたサクライーターが3匹こちらに視線を向ける。


「まぁ、今度はオイラの見せ場かな?」


空猫さんが、そう言って扇子を閉じる。
EDまで、扇子を持っているんだと俺は心の中で思った。
空猫さんは、扇子を大きく広げるとサクライーターに向けて投げる。
扇子はブーメランのように舞い、サクライーターの首を斬っていった。


「亜金君の火力でも、急所を狙えば一撃で倒せると思うよ?」


空猫さんは、そう言って嬉しそうに笑う。


「あー。
 ピノもやるー」


ピノは、そう言って俺の膝の上に乗る。
ピノの見た目年齢は、18歳。
お尻の感触が暖かくピノの香りが鼻を刺激し、俺の体がこわばる。


「なにを緊張しているのだ?」


プレゲトンが、そう言ってため息をつく。


「べ、別に緊張なんて……」


俺が、そこまで行ったときピノは、大きく叫ぶ。


「ピノ!いっきまーす!」


ピノが、そう言うとフェアリー・セットが地面を叩く。

すると辺り一面をまぶしい光で埋め尽くす。
するとサクライーターたちが、20匹ほど姿を消した。
桜は、綺麗に残っている。


「ピノ?
 なに?その力は……」

「えへへ。
 ピノ凄い?」


ピノが、照れ笑いを浮かべた。
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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――04月12日


「さて、グループ割はできたようだね」


星さんが、そう言ってグループの割り振りのメモを俺たちに渡した。


「亜金君、僕ら一緒のグループだね」


空猫さんが、そう言ってニコニコしながら、扇子を口に当てる。


「はい。
 よろしくお願いします」


俺が、軽く頭を下げるとピノも一緒に頭を下げた。
俺の真似をしているのだろう。


「こちらこそ、よろしくね」


空猫さんが、ニコニコ笑いながら扇子を仰ぐ。


「僕もよろしく頼むね」


そう言って星さんが、俺たちの前にあらわれニコリと笑う。


「あ、星さんも一緒なんですね」

「ああ。
 分配をするとこの形が一番バランスがいいんだ。
 まぁ、僕らは特攻隊。
 総合値が、高い人をメインに組んだんだ」

「そ、そうなんですか」


亜金は、戸惑った。
亜金は、EDの操縦には長けていない。


「何か心配事でもあるのかい?」


星さんが、俺の方を見て言う。


「えっと、俺、ED初心者なんですが……」

「でも、剣術や魔術には長けているだろう?」


星さんが、そう言うとプレゲトンが胸を張って言う。


「当たり前だ!
 あの清空と白銀に鍛えられた男だからな!」


星さんの目が細くなる。


「へぇー
 だったら、問題ないよ。
 EDは、思い通りに動くのが普通だからね。
 剣術や魔法などそのまま反映される。
 上級者になれば、部分召喚も出来るようになる。
 大丈夫。亜金君のフォローは、僕が全力でするから!」

「は、はい……」

「では、そろそろ出発しようか」


星さんが、そう言ってEDを召喚する。
緑の機体だった。

それを見た空猫さんもEDを召喚した。
和服を着た男の姿をした人型機体だった。

俺もEDを召喚する。


「へぇ、亜金君の機体は白いんだね」


空猫さんが、そう言うと俺は小さくうなずいた。


「さて、特攻隊の突入時間だ。
 サクライーターは、強くはないが数は多い。
 気を引き締めて行こう!」


星さんのそれを合図に、俺たちは桜の木の町へと向かった。

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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月11日


朝一番に俺たちは、桜の木の町へ行く為、空猫さんと合流した後、この町の役所に向かった。
役所に集まっているのは20人前後……
役所の中から、1人の男の人と数人の女の人が出てきた。


「えー。
 まず、自己紹介をしようか」


男の人が、マイクを持って挨拶を始める。


「僕の名前は、星新一。
 今回の試験官と教官を務める。
 では、早速だけど試験を始めようかと思う。
 まずこの水晶に触れてくれたまえ。
 すると魔力を感知して数値が現れる。
 その数値が1000以上なら合格。
 それ以下なら不合格。
 さて、今日は何人合格できるかな?」


星さんが、ニッコリと笑うと女の人が、水晶を持ってくる。
そして、それを設置すると星さんは、次々へと名前を呼んでいく。
合格者が、出ないまま俺の名前を呼ばれる。


「5秒間触るだけで君の魔力を感知するからね」


俺は、星さんに言われた通りその水晶に触れた。
すると水晶の中に数字が表れる。


 1221


「うん。
 亜金君、合格だ!」


星さんが、そう言って俺の肩を叩く。


「亜金君おめでと♪」


空猫さんも祝福してくれた。


「次、空猫君」


空猫さんは、星さんに呼ばれると黙って水晶に手を触れる。
水晶にあらわれた数値は、3245。


「お、かなりの高得点だね。
 空猫君、合格!」
 
「まぁまぁの得点だね」


空猫さんは、そう言いつつもどこか悔しそうだった。


「次、プレゲトンさん」


プレゲトンは、無言で水晶に触れる。
あらわれた数値は、7777。


「ラッキーセブン!
 もしかしたら、今までの中での一番の高得点かも知れないぞ!」


星さんの目が輝く。
そりゃ人間じゃないモノ。
インテリジェーンスソードだもの。
俺は、心の中で笑う。


「ピノもやるー」

「ああ、次はピノちゃんだ。
 軽く触ってやってくれ」


星さんがそう言うと、ピノは大きく返事をしてから水晶に触れた。
あらわれた数値に、全員驚愕した。
星さんも目を丸くさせている。


99999


「君は、何者なんだい?」


星さんの質問にピノは答える。


「ピノはピノだよー」


そうピノは人間じゃない。
俺とプレゲトンの人口生命体。
そのことを痛く実感した。

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ピノの旅(小説) [ピノの旅]

――4月10日


「桜の木の町は、ここから2キロ離れた街にあるんだよ。
 今は、緊急事態なんで西之門からは、EDの操縦が許可されてるからね」


空猫さんが、ニコニコ笑いながらお茶をすする。
俺たちは、今。
茶店に来ている。
本当にお茶が出るお店だ。
珈琲とか紅茶とかはない。


「ピノ、このお茶にがい……
 砂糖が欲しい……」


ピノは、そう言って涙目で俺の方を見る。


「ピノ、こういうお茶に砂糖を入れたら大変なことになるから止めようね」


とりあえず、俺がそう言うとピノは俺にしがみつきながら唸った。


「相変わらず、ラブラブだね。
 んで、その西門だけど通るには許可書が必要なんだ。
 今日は、その許可書をとりに行こうと思っている」

「それは、金がかかるのか?」


プレゲトンが、空猫に尋ねる。


「お金はかからないよ。
 でも、簡単な実技試験があるよ」

「実技試験……?」

「まぁ、魔力の解放をやってある程度の基準を突破すれば合格できるしくみだよ」

「合格できるかな……」


俺が、そう呟くとプレゲトンが即答した。


「まぁ、合格できるだろう。
 誰が、鍛えたと思っているんだ?」

「プレゲトンじゃないのは、確かだね」

「私が教えたのは、座学だけだが……
 清空と白銀に鍛えられたんだから自信を持て!」

「う、うん……」


俺は、自信がないけど頷いた。


「白銀さん?清空さん?
 あのファルシオンの?」


空猫さんが、目を丸くさせる。


「うん」

「亜金君凄いよ!
 絶対合格するって!
 明日、討伐隊の試験があるから行こうよ!」


空猫さんの提案により、俺たちは明日、討伐隊の試験を受けることにした。

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