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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年09月12日


おはよう。
水曜。
今日は、晴れ。


朝は、少し涼しくなって来たかな。


にしても、暇だ。
何をする訳でもなく、外を散歩する。
すると公園のベンチで、しょんぼりしている山本さんを見つけた。


「山本さん、どうしたんですか?」

「娘の結婚式の日程が決まったんだ」

「へぇ……」


おめでとうございますって言ったら、さらに凹むだろうから俺は、言わなかった。


「10月の13日だ……」

「もうすぐですね」

「ああ……」

「……寂しいですね」

「そうだね」


山本さんは、苦笑いを浮かべた。


「……元気出してください」


俺は、そう言ってベンチに座る。


「そうだね。
 めでたい事なんだしね……」


山本さんは、ため息をつく。

寂しいんだろうな。


「会おうと思えば、いつでも会えるんですし気楽に生きましょうよ!」

「そうだね。
 月に2回は、会いに来てくれると言ってくれている。
 寂しくはない、寂しくはないが……やっぱり寂しい」

「正直、俺、山本さんの娘さんが羨ましいです」

「どうしてだい?」

「寂しいって思ってもらえる家族がいるから……」

「亜金君にも、ご両親はいるだろう?」

「いますけど、もう数年連絡取ってないです。
 メールも電話も無視されてますから……」


俺は、苦笑いした。


「そっか……」


山本さんは、空を見上げる。


「はい……」

「ケンカでもしたのかい?」

「まぁ、そんなところです」

「家にはいかなかったのかい?」

「そんな気分にはなれなかったので……」

「そっか……」

「はい」


虚しい空気が、その場に留まる。
ただ、ただ時間が流れ、昼食の時間が来たので、俺たちはそれぞれの部屋に戻った。

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