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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年11月02日


さて、俺は究極の選択をしようと思う。
明日の晩、美穂を食事に誘うかどうか……
ご飯食べる前にデートをする予定なんだけど……

こういうデートって俺はしたことがない。

ぶらりと女の子と一緒に遊んだことはある。
でも、真面目なデートってしたことがない。
いや、デートって真面目にすべきものなのかさえわからない。


「で、話って何かな?」


俺は、美穂を病院の屋上に呼びだした。
美穂は、目をキラキラと輝かせている。


「明日、時間ある?」

「時間?」

「うん。
 出来れば1日」

「空いてるよ?」

「よかったらどっか出掛けないか?」

「え?」


美穂の目が丸くなる。


「デートしない?」

「え?え?え?」


美穂の顔が、だんだん赤くなる。

俺は、実感した。
やっぱりこの子、美穂じゃない。
俺の知っている美穂は、こんな顔をしない。


「ダメかな?」


何が目的かわからない。
でも、俺はこの美穂に感謝している。
だからいいよね?美穂。
この子と少し遊ぶくらい……


俺は、空を見上げて美穂に尋ねた。

きっと本物の美穂ならこういうだろう。


「勝手にしろ」


だから、俺は勝手にすることにした。


「いいの?」

「うん」

「あはは……
 嬉しいな」


美穂の笑顔が少し引きつっている。


「どっか、行きたいところある?」

「え?
 それ私に聞くの?」


美穂が、ため息をつく。


「え?」

「亜金が、決めてよ。
 亜金がプランを決めて亜金の行きたい所に行こう。
 私は、何処にだってついていくから……♪」


美穂は、ニッコリと笑う。
俺は、やっぱりこの笑顔を護りたい。

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