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まっしろなティスタメント(小説) [まっしろなティスタメント]

2012年11月17日


土曜日の雨。


今日は、雨。


降り注ぐ雨は、空気の温度を下げ肌を寒くさせる。

今日、愛ちゃんが期待していたしし座流星群は、これでは見れない。
残念だろうな……

なので、少し様子を見に愛ちゃんの部屋に向かった。
するとそこには、愛ちゃんはいない。

まさか、何かあったのかな?

暫く待ったけど、帰ってこない。

俺は、受付付近にいた千春ちゃんを見つけ、尋ねてみた。


「愛ちゃん、何かあったのですか?」

「え?」

「愛ちゃん、部屋にいないんだけど……」

「トイレかな?」


千春ちゃんは、そう言った後、俺と一緒に愛ちゃんの部屋に向かった。


「ホントだ。
 いないね……」


千春ちゃんは、そう言って顔を青くさせる。


「うん。
 なんかあったんじゃないかと思って尋ねたんだけど……」

「なんにもないはず……
 でも、いないね。
 ちょっと探してみる」


千春ちゃんは、看護士仲間数人に声をかけた。


「俺もちょっと探してみる」

「うん」


俺は、とりあえず小児病棟の方に向かった。
そこには、知らない顔ばかりだった。

隼人君もいない。


俺は、子供たちに勇気を出して聞いてみた。


「なぁ、誰か、隼人君を知らないかい?」

「えっとねー。
 愛ちゃんと星が見える場所に行くって言ってたよー」

「え?
 星?」

「雨だよ……?
 それにまだ昼なのに……」

「変だよねー」

「そうだね。
 ありがとう!」


俺は、すぐに千春ちゃんを含めた看護士さんたちにそのことを伝えた。
病院の中を看護士さんは、探したけれど見つからなかったらしい。

考えれる場所は、外……

隼人君、愛ちゃん……
何処に行ったんだ?

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