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亜金友人帳 [亜金友人帳]

4月16日


昼休み、屋上に向かった。
昼食のパンを食べるために……


誰も居ないだろうと思ったその場所に先約がいた。


「あ、亜金さん」

「タナトスさん?」

「お食事ですか?」

「うん」


タナトスさんは、ゆっくりと視線を俺のパンに移す。


「パンですか?」

「うん」

「ダメですよ。
 若いんだからもっと栄養があるモノを食べなくちゃ……」

「そうだけど……
 俺、朝、弱くて……」

「うーん。
 私が作りましょうか?」

「いや、そこまで面倒を見てもらうわけには……」

「いいんですよー
 3つ作るのにも4つ作るのも同じですから」


タナトスさんが、ニッコリと笑う。


「3つ?」

「はい、私と、レテさんとプレさんのモノの分も作っているのです」

「それは、凄いな……
 で、その2人は、何処にいるんだ?」

「ここに居るわよ」


俺が、振り返るとプレさんが玉藻と一緒に居た。
玉藻は、自分の弁当を持っている。


「あ……」

「亜金、お主もここにいたのだな」

「ああ。
 誰も居ないと思ったのだが……」

「1人で食べるよりもみんなで食べましょう」


タナトスさんが、そう言って手をパチリと叩く。


「そうだな……」


俺は、ベンチに座った。


屋上から笹鈴さんと座来栖君の姿が見える。


「あの2人、出来ているのか?」


プレさんが、俺に尋ねる。


「さぁ、俺に聞かれても……」

「そうですよ。
 亜金さんは、ここに来て間もないのですから……」


タナトスさんが、そう言って弁当を開く。
タナトスさんたちの弁当はおいしそうだった。


俺も今度、弁当を作るか……


※この物語は、フィクションです。

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