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ギフト(小説) [ギフト(小説)]

2013年1月20日


土曜日。
あと11日で1月が終わる。

なんというか……
一日が過ぎていくことに罪悪感を覚えてくる。
これは、歳をとった証拠なのかもしれない。


今日は、病院に行く前にビオルネに向かった。
ビオルネで、あるモノをかったのだ。


俺は、それを持って夕貴さんの病室に向かった。


ノックをする。
するとノックが、返ってくる。


部屋を開けると夕貴さんがリンゴを剥いていた。


「夕貴さん、こんにちは」


夕貴さんが、俺の方を見るとゆっくりと頭を下げた。
今日は、嫌な顔をされなかった。


夕貴さんが、剥いたリンゴを俺方に向けてくれた。


「俺にくれるの?」


夕貴さんが、頷く。


「ありがとう」


俺は、夕貴さんにお礼を言うとリンゴを一つ食べた。


「美味しい!」


夕貴さんは、ニッコリと微笑むと夕貴さんもリンゴを食べた。


「今日はね、夕貴さんにプレゼントがあるんだ」


夕貴さんが、首をかしげる。
俺は、用意したプレゼントを夕貴さんにプレゼントした。
夕貴さんは、目をキラキラ輝かせながらプレゼントを開ける。

出てきたのは、何度も書いて何度も消せるフィリップ。
そして、それ専用のマジック。


夕貴さんは、少し困った顔をした。


「これが、あるといちいち携帯を開けなくても会話できるしさ……」


夕貴さんは、苦笑いを浮かべながらフィリップに文字を書く。


【そうですね】

「喜んでもらえるかどうかはわかんないけれど……」

【フィリップとマジックをプレゼントしてもらったことなんて初めてです】

「俺も女の子に何かをプレゼントをしたことなんて初めてだよ……」

【はじめてなんですか?】

「うん」


夕貴さん、字を書くの早いな。
そして、上手だ。


【昨日来た女の子は、彼女じゃないのですか?】

「あー。玉藻ね。
 玉藻は、幼馴染だけどメイドだよ」

【メイド?】

「うん」

【亜金さんって、お金持ち?】

「爺ちゃんがね……」


俺は、夕貴さんと今日は、こんな風に会話が弾んだ。
楽しかった。
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