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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

12月2日


昨日の夜。

余は、現世へとたどり着いた。

流星の如くある商店街へと着地した。

すると着地早々、黒い服を着たモノ達が、余に襲い掛かってきた。

不快なヤツ達だ。

余は、そやつらを一瞬で蹴散らした。


すると余の頭に衝撃を与えたモノがいた。
余に一撃を与えるとは、なかなかの手練れだ。


その顔をぜひ見てみたい。


余は、顔を見上げると……
そのモノは、こう言った。


「かみさんですよね……?
 お仕事はどうなさいました?」


なんという運命の出会いだろうか……
余の頭を殴ったのは、ずっと会いたかった魔王の万桜ではないか……
セーラー服を着ているが、気になるが……


「面倒だからサボった」


余は、胸を張っていった。
余は、嬉しかった。
なのに万桜は、余の頭を何度も殴った。


「貴方は、神の中でも高位な願神、【かみさま】でしょう……?
 その貴方が、仕事を放棄してどうするんですか!!」

「だって、万桜。
 メールを返してくれないしー
 願神と言っても願い事を聞くことだけだし。
 叶えるのは、天使だし……
 余がかなえたいと思う願いも天使が、叶えなかったりするし……
 余は、全てがめんどくさくなったのだ」


万桜は、ため息をついた。


「私がこっちの世界に来たのは、最近、悪が多過ぎるから、直接叩くためよ!!
 なのに、アンタは……」

「ならば、余がその悪の退治を手伝おうじゃないか!
 人間どもに笑顔を与えようではないか!」


余が、満足に笑っていると……
人間の女が、余に話しかけてきた。


「あの……
 ありがとうございました」


余は、その娘よりも先に胸を見た。


「どうした貧乳」

「貧乳とか関係ないじゃないですか!
 もう、助けてもらったからお礼を言おうと思ったのに……」


娘は、そう言って目に涙を浮かべる。


「泣くな娘よ。
 娘の願い何でも聞いてやるぞ」

「え?
 私が、何かするよ。
 助けてもらったんだし」

「何ができる?」

「私にできることならなんでも……」

「うむ……
 なら、余の下僕になるがよい」

「げ、下僕?」

「そうだ。
 下僕だ。
 うむ、余は満足だ」


余は、娘の頭をポンポンと叩くとその場を去った。
うむ。
なんか、知らんがいいことをした気分だ。
この調子で、いいことをしまくるぞ。


※この物語は、フィクションです。

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