SSブログ

かみさまのにっき [かみさまのにっき]

12月8日


今日は、雨だ。

現世に来てから、初めての雨だ。

余は、万桜の口添えで万桜の住む同じマンションの部屋を借りている。

テレビなどの家具もついて、なんとタダだ!


神の力を持ってすればこれくらい容易いモノだ!


余は、満足だ。


余が、満足な表情を浮かべて学校へ向かっていると同じ制服を着ているモノがいるではないか。
一人は、なんか絡まれている……
そんな感じだな。

一人は、雨の中尻餅をついており、二人は、その一人に蹴りを入れる瞬間だった。


「なにをしておるのだ?」


余が、そう尋ねると二人は、逃げるように去った。

残されたのは尻餅をついている少年と余の二人。


「おはようだな」


余が、挨拶をするとこう帰ってきた。


「みんな死ねばいいのに……」

「え?」


流石の余もこの言葉には、驚いた。


「亜金(あきん)!」


少女が、亜金に駆け寄る。


「玉藻(たまも)……?」

「また、イジメられたのか?」

「別にイジメられていた訳じゃないよ」

「ドロドロじゃないか……
 職員室でタオルを貰ってから教室に行くぞ……」


玉藻と呼ばれる少女は、俺に軽くお辞儀をすると学校の方へ亜金を引っ張って向かっていった。
あ、傘は玉藻が持っていた。


「あ、神様!
 おはよう!」

「お?
 真由ではないか。
 おはよう」

「ぼーとして、どうしたの?」

「イジメとは、なんだ?」

「え?」

「あの亜金と呼ばれる少年のことだ」

「あ……
 亜金君のことか……
 一部の人がイジメているんだ。
 玉藻ちゃんが、必死になって止めているんだけど……」

「お前は、何もしないのか?」

「え?」

「お前は、見ているだけか?」

「だって、怖いもん」


うむ……
人間にも、何か複雑な事情があるのだな。


※この物語は、フィクションです。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。