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かみさまのにっき [かみさまのにっき]

1月5日


余は、暇になった。
余は、暇である。


余は、街を散歩することにした。

万桜の家に向かい、弄ってやろうかと思っていたら、留守だった。

つまらんな。

だから、散歩に出かけることにしたのだ。

余は、いつもの散歩ルートを変更し、少し人気のない場所に出た。


うむ!
ここは、寒いが空気がきれいだな!


余の心は、満足に満ちていた。
しかし、その余韻もすぐにかき消される。


「む?
 この魔力は……
 万桜のモノか?そして、もう一つ……
 誰だ?」


余は思いついた。
万桜を弄って弄って弄り倒してやろう。


余は、神速の速さでその魔力のある場所へ向かった。
そして、余が見た光景……
それは……


傷だらけの万桜。
そして、赤い色の服を着た少し目立つ男。


「神様?」


万桜が、目を丸くさせ驚く。


「なんですか?
 貴方は……」


赤い服を着た男は、余の方を見て笑う。


「余は大主神だ。
 主の名は?」

「私(わたくし)に、名前などありません。
 そうですね、赤の魔道士とでも呼んでもらいましょうか?」

「赤の魔道士?」

「……とりあえず、今日はこれでおひらきにしましょう。
 万桜さん、命拾いしましたね」


赤の魔道士は、そう言い残すとその場を去った。


「く……」


万桜は、その場で倒れた。


「万桜?大丈夫か?」

「……うん」

「とりあえず、主を家に運ぶぞ」

「うん」

「話は、明日、聞かせてもらうからな?」

「……わかったわ」


余は、万桜を背負うとゆっくりと歩き出した。
背負うとさらに万桜に胸がないことがわかったな。

からかおうと思ったが止めだ。

万桜は、今、泣いているからな……
余の背中で小刻みに震えている。
余には、なんのことだかさっぱりだ……
明日、全て聞くからな?


※この物語は、フィクションです。


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